不登校新聞

387号 (2014.6.1)

子どもから見た不登校 “親とふつうに話したかった”

2014年07月17日 11:24 by kito-shin
2014年07月17日 11:24 by kito-shin


 不登校の子ども自身が感じてきたことを話す「不登校の本音」。今号は親の会「カマクラ『風の谷』」の講演会中に行なった浦野了琴さんへの公開インタビューをまとめた。(『風の谷』/℡0467・22・2771)

――いつから不登校をされてますか?
 小学校3年生からです。そもそも小学1年生の途中から集団で「うざい」「目つきが悪い」「死ね」とか、そういう陰口を言われるようになっていました。ずっと悪口を言われていたので、さすがにつらくなって小学校3年生のときに先生に相談したんですね。でも先生は、まったく話を聞かずに私とリーダー格の人を引き合わせ、おたがいに謝らせて終わり。「先生ってこんなものなの?」と思ったのはこれが最初でした。その後の担任や適応指導教室の先生もそうでしたが、先生って先生の仕事はするけど、子どものことは見てくれないんですね。とくに気持ちは聞いてくれない、というか。

――親の反応はどうだったでしょうか?
 ほかの人の話を聞くと不登校自体はすんなり受けとめたほうみたいです。ただ、イライラをぶつけてくることは多くなりました。よくおたがいに「死ね」とか「バカ」とかね(笑)。いまふり返れば、仕事で疲れていたり、私が家にいるので母の時間を奪ってしまったんだな、と思うんです。当時は理不尽だと思っていましたが。
 本当はもっとふつうに話し合えたらよかったんですね。「お前がいるとイライラする」と言うんじゃなくて「お母さんもひとりの時間がほしい」と言ってほしかったし、私も「あんたの気持ちなんか知らねぇよ」と言わずに「私も外に出づらいんだ」と言えればよかったな、と。

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