不登校新聞

253号(2008.11.1)

第7回 「前へならえ」で自ら判断する子は育つのか

2014年06月19日 15:46 by 匿名
2014年06月19日 15:46 by 匿名
 

連載「学校のナゼ」


 2面で連載していた「学校のナゼ」をリニューアルし、今号から3面にて連載を開始する。今回の執筆者は元小学校教員の湯本雅典さん。今号より5回に渡って、元教師という視点から「学校のナゼ」について執筆していただく。今回のテーマは「気をつけ」と「前へならえ」。

 今から28年前、僕が新卒教員だったころ、学校の仕事で一番嫌だったのが朝礼台の上で「号令」をかけることだった。

 毎週月曜日には、朝礼があって、「日直」の先生が「号令」をかける。500人以上の子どもたちの目が僕に集中している(ように見える)。その緊張感をふりはらうかのように、お腹に力を入れて、まず怒鳴るのが「気をつけ!」「前へ、ならえ」。そして「なおれ!」。それでもだめならおまけに「もう一度、前へ、ならえ!」「なおれ」。

 英語の授業が小学校に導入されたころ、この号令についてアドバイザーのカナダ人に聞いてみた。「『気をつけ!』というのはどう言うの」と聞くと、彼は、かなり悩んで、「そんなのカナダではありません」とのことだった。強いて言えば「アテンション!」かもしれないとのこと。「アテンション!」、直訳すると「注目」である。しかし、これは軍隊用語なのだ。
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