今回のインタビューは、不登校経験者・天埜裕文さん(22歳・千葉県)。先月、天埜さんが初めて書いた小説がすばる文学賞に選ばれた。天埜さんに不登校のきっかけや小説を書くまでの経緯をうかがった。

――不登校の理由から教えてください。
 学校に行かなくなったのは小学2年生からです。理由を聞かれるといつも困るんだよな~。いじめがあったわけでもないし、勉強がきつかったわけでもない。なんでなのかな……、まあ、当時からそれは言葉にできなかったからな~。いま考えれば、みんなとなかよくしなきゃいけないとか、そういうことにプレッシャーを感じていたのかな、と思う。

 その後は、東京シューレに4年ぐらい通って、中学生2年生からは学校に通い始め、通信制高校も通っていました。

――小説を書こうと思うまでの経緯は?
 まあ、ずっとひきこもっていたようなもんだね。高校を卒業してから、美容の専門学校に通ったんだけど、ムリだったなあ。美容師という仕事に向かなかったのもあるし、学校には体が合わないんだってことも、あらためて思った。人付き合いとか、集団のなかに入るのもムリだった。専門学校は2年間ぐらいで辞めて、バンドでプロを目指そうと思ったんだよね。

 でも、それも本格的に活動を始める前に辞めたんだけど……、オレの経歴はふり返ると、辞めてばっかりだな(笑)。

 まあ、とにかく去年の春にバンドを辞めたときに、もうオレは人と付き合いながら仕事をするのはムリなんだなって。そこからはすぐ小説を書こう、と。人と付き合わない仕事って、小説ぐらいしか思いつかなかったからね。

 言葉にできない心情を描写



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