連載「渡辺位さんの言葉」
25歳になった息子は、小学校に入学して3カ月で不登校になった。世間的に"軽度の知的障害”と言われ、学校側からは一方的に子ども自身と親の対応の問題とされた。それまで学校に行くのは当たり前のことと、疑うこともなく生きてきた私にとっても、何とかしなければいけない大問題で、自責もした。どうしていいか悩むなか、手掛かりを求めて参加したのが親ゼミだった。
先生は、いろいろな表現やたとえ話をされたが、それはすべて深いところでつながっていて、生きることのすべてに通じることだと感じた。なかでも先生がよく言われていたのが「生きている人に条件づけすることは傲慢であり失礼なこと」というもの。
私は同じ事物や状況も、見方(観方)の角度や幅、深さなどで、まったくちがってくることを知った。子どもは自分自身を守るために学校から離れたのだ。私は学校に行くための子育てをしているわけではないんだ。自分が問題にするから問題となるんだ……。
わかったつもりで、頭でっかち……。
『不登校は文化の森の入り口』(著・渡辺位/2160円(税込)/東京シューレ出版/申込先℡03・5360・3770)
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