不登校新聞

252号(2008.10.15)

最終回 他者の評価に生きる 向谷地生良

2014年07月17日 15:56 by 匿名
2014年07月17日 15:56 by 匿名


連載「日々発見」


 統合失調症などさまざまな障害を持ったべてるのメンバーに共通した苦労を一つ上げるならば「人からどう思われるか」という「人の目線」をめぐる葛藤があります。あるパーソナリティー障害を持つ女性メンバーの自己病名は「他人の評価依存型人間アレルギー症候群」です。彼女は、つねに人の目線、人の評価を基準に生きざるを得ず、一見、人の評価も最初は高いのですが、長続きせずに疲れがたまり、最後には自傷行為やひきこもりに入るパターンをくり返してきました。

 他人の評価に依存するということは、知らずしらずのうちに、自分としての人間の存在価値までも、人に委ね、それに一喜一憂する不安定な状態を生きることを意味します。「全力疾走の研究」というテーマで、自分の生きづらさを研究しているメンバーも、いつも自分の後ろには「父親の目」があって、その目がいつも「ガンバレ! ガンバレ!」と言っているような強迫的な切迫感におそわれ、ついつい全力疾走をしてしまうという苦労を語っています。
この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

第18回 寝屋川教師刺殺事件【下】

232号(2007.12.15)

最終回 家庭内暴力とは何か【下】

232号(2007.12.15)

第232回 不登校と医療

232号(2007.12.15)

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

625号 2024/5/1

「つらいときは1日ずつ生きればいい」。実業家としてマネジメントやコンサルタント…

624号 2024/4/15

タレント・インフルエンサーとしてメディアやSNSを通して、多くの若者たちの悩み…

623号 2024/4/1

就活の失敗を機に、22歳から3年間ひきこもったという岡本圭太さん。ひきこもりか…