日本フリースクール大会、会場のようす

連載「フリースクールの30年史」

 今号は「設立者がふり返るフリースクールの30年」のうち、00年代後半から現在の状況を掲載する。

 「東京シューレ」奥地圭子さん(司会)
 それではこの日本フリースクール大会が開催された2009年から現在にいたるまで、5年間の各フリースクールの状況、あるいは感じられていることをお願いいたします。
 
「For life」中林和子さん(兵庫)
 この5年間でとくに実感したのは、私たちのフリースクールというのは、教育と福祉の部分が相まっているんだなあ、という点です。ちょうど10年ほど前から私たちのフリースクールでは社会福祉協議会との連携をはじめ、いまではとても強いつながりを持つことができました。開設直前には場所を借りることさえしぶられていましたが、いまでは地域と福祉協議会とフリースクール、三者が一体となって子どもたちをサポートしていく流れができつつあります。その一方で問題なのは運営面です。この点は私の裁量のなさからきているのですが、最近、団体内で見直しが必要ではないかという声が上がってきているところです。

「札幌自由が丘学園」亀貝一義さん(北海道)
 やはり、フリースクールを事業としてどう継続していくか、そこに尽きると思います。私の関心、問題意識の半分以上はその点を占めています。なので今大会で、教育の中身とともにPRの仕方や高校提携の制度的拡張を議論していきたいと思っています。また行政との連携、つまりどう行政から公的助成を得ていくのか、という議論も進めていきたいと感じています。



「寺子屋方丈舎」江川和弥さん(福島)
 この5年間は震災も含めて考えさせられた年月でした。フリースクール全体の流れから言えば高校無償化の影響が大きかったように思います。高校が無償化される一方で、フリースクールは議論もされないまま、その流れから取り残され、授業料の負担は受益者(親)に頼らざるを得ない状況が続いています。こうしたなかで私たちも昨年、渋っていた通信制高校との提携を始めました。

 フリースクールの経営も難しいところですが、一方の学校教育も閉塞的な状況です。私は保護者として学校と関わっていますが、親と学校・教師の関係はサービスの提供者と受給者の関係になりつつあり、先生たちもつらい立場に置かれています。

 そこで思うのは、もう公教育と民間教育はケンカしている場合じゃないんだ、と。行政は公教育がカバーできない部分を明確にすべきだし、民間教育もどこならカバーできるのかを明確に行政に訴えるべきです。そのなかでおたがいがちがう場でちがう役割をはたす段階に来ていると思っています。


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