連載「不登校の歴史」
本紙が300号を迎えただけでなく、世の中では不登校関連の情報が得やすくなり、相談機関、医療機関が増え、不登校対象の進学先も増えた2010年だったが、不登校の子どもの状況で目立ったのは、過剰医療とも言える実態だった。
すでに1999年ごろ、小学生が10種類もの薬を持参し、それを「フリースクールでも飲ませてほしい」という要望が親から伝えられたり、必要ないと思われる状況なのに子どもが不本意な入院をさせられるような状況があった。シューレ大学が実施主体となり、全国ネットや不登校新聞社の協力を得て2001年、不登校と医療についての全国調査を行ない、「不登校と医療」の報告書(147ページ)を作成した。それから約10年、過剰医療は収まるどころか、どんどん拡大した、というのが筆者の実感である。
向精神薬の多剤多量投与、発達障害だからと毎日飲まされている子、昼夜逆転だから投薬、無気力だから投薬、うつで投薬、家庭内暴力は投薬だけでなく、無理やり車で護送され入院、それっきり外から連絡が取れなくなった例まであった。不登校で出現するこうした二次症状を訴えれば、薬が増え、入院をすすめられる状況だった。
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