不登校新聞

251号(2008.10.1)

第251回 韓国の「辞退生」との交流

2014年07月17日 15:28 by 匿名
2014年07月17日 15:28 by 匿名

連載「不登校の歴史」


 99年8月21日、島根県松江市で開催された「登校拒否を考える夏の全国合宿」では、日韓の子ども・若者によるシンポジウムが行なわれた。

 韓国でも、不登校が増え、90年代後半、韓国の教育関係者や青少年対策の関係者が、しばしば日本のフリースクールを訪れていたが、日韓の不登校の若者シンポジウムはわが国初であった。もちろん、10回を数える夏の全国合宿でも初めてであった。

 韓国では、日本のかつての受験競争よりももっと激しい競争があり、学歴社会の重圧は、子ども・若者にのしかかっていた。そんな状況のなか、学校に行かない子ども・若者が増えていたのだが、彼らは「辞退生」と呼ばれ、さまざまな不利益を受けていると語った。韓国の「サイバーユース」で活動する4人の女性と日本のフリースクール「フリーダス」に通う2人、「東京シューレ」に通う1人、計7人のシンポジウムであった。

 韓国では翌月、元勤労青少年会館が学校の外の若者の活動の場として新しくオープンする予定で、そのスライド上映もあった。それが「ハジャセンター」であり、創設の中心になった延世大学の教員でもあり、政府の青少年委員でもあったチョウ・へジョンさんは創設前に2回来日された。私たちは後に、「ハジャセンター」を何度も訪問することになるが、はじめ日本のほうが進んでいると思ったが、公的資金の投入が行なわれた韓国では、みるみるすばらしい場づくりや取り組みが行なわれるようになる。しかし、それは後にわかる話であり、このときは映像に感心し、彼らの話に耳を傾けた。
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