連載「子ども若者に関する精神医学の基礎」


 恐怖や不安に対して、現在の精神医学は「投薬」と「認知行動療法」が有効だと主張します。
 
 身のまわりには、恐怖や不安(今回は、両方を合わせて、恐怖とまとめて書きます)の原因はたくさんあります。当然ですが、これらをすべてなくすなんてことは、不可能です。また、これまでお話してきたように、恐怖の感覚(恐怖感)というのは、生きていくためにとても重要な感覚です。ですから、人間から恐怖感そのものを取り去ってしまう、というわけにもいきません。そこで、医学は次のように考えるのです。
 
 日常どこででも出会うような恐怖に対して、なるべく冷静に受けとめ、適切な対応を選べるようになる経験を積むこと。そういう経験を蓄積していけば、「なんとか恐怖を乗り切れるだろう」という自信も、徐々に回復してくる。
 
 恐怖の原型は、外部刺激に対する防衛処理だとお話したことを思い出してください。現実体験を通して恐怖を操作していく経験をうまく積んでいけば、ゴールにたどり着けるのではないか。


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