飛行機が苦手な私にとって、今夏の佐賀合宿は厳しいものだった。出発当日は緊張のあまり一睡もできず、羽田に着くと同時に、満腹にもかかわらずパンをがっついた。精神科医に聞かずとも、ストレスによるものだとわかった。
握り拳をつくり侍のように座して離陸を待つ私の横で、石井編集長はこのうえなく元気で意地悪だった。飛び跳ね、窓ガラスをドンドンと叩く。事情を聞くと、「本当はクラッカーとか持ち込みたかったけど、火気厳禁だから」とのこと。「スチュワーデスさん、この人キケンです。降ろしてください」と懇願しようとした瞬間、離陸。私の飛行機ぎらいは、ますます加速する。(東京編集局・小熊広宣)
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