不登校新聞

249号(2008.9.1)

若者と仕事「お金は後からついてくる」

2014年08月07日 15:11 by 匿名
2014年08月07日 15:11 by 匿名
 今回は吉川修司さんに執筆していただいた。吉川さんは札幌市に生まれ、小学2~中学3年まで不登校だった。その後は高校を経て大学卒業後、長期アルバイトをしたのち、ひきこもった。現在では、北海道・札幌市にある「レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク」にて副代表を務めるなど、さまざまなボランティア活動を行なっている。

 私は、大学卒業後何をするでもなく、ただ将来に対する不安や対人恐怖を抱え、路頭に迷う中、人目を余り気にしない深夜、週3~4回のアルバイトを23歳から十数年働いた。そこは、一度も正職員として働いたことのない私にとって、数少ない就労の場だった。

 そこで、同じアルバイトをする年下の人間から言葉による暴力を受けたことがある。「あんたの親はきっと(私に)死んでほしいと思っているよ」と、辛辣な表現で何度も攻撃を受けた。時には差別用語で応酬されたこともある。それら侮蔑の言葉は、いつまでもフリーターのままで、まともに働かないでいる私の姿に対する嫌味をついたものだが、あまりにストレートな表現に返す言葉がなかった。周囲の嘲笑ともとれる声がかすかに聞こえる。いつものことのようにそのような職場の日常は過ぎていった。
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