不登校新聞

245号(2008.7.1)

お父さんと不登校「男は不登校で涙を流していい」

2014年09月11日 14:49 by 匿名
2014年09月11日 14:49 by 匿名


 不登校でもっとも厄介な問題は、子ども自身の混乱ではなく父親の家族内でのあり様である、と言われ続けてきた。私自身も父親として家族(おもに妻)から同様の批判を受け、また自分自身も悩み苦しんだ経験がある。なぜ、父親は子どもと家族に寄り添えないのだろうか。この問題を図Aを手がかりに、父親の立ち位置の視点からから考えてみよう。



 子どもが不登校になったとき、最初に父親は①の「学校・社会(企業)」の位置から考えようとする。この①の位置からは②の「家族(子ども)」に問題がありと、いわば客観性を武器に結論を求めようとする。不登校は妻の育て方の問題であり、また、学校に行けない子どもは弱い存在であって、このような状態では父親が日々格闘している厳しい企業社会を生きていけないと、競争の論理で理論構築し納得させようとする。私は、家族の問題に客観性や競争の論理を持ち込み論じることほど不毛なことはないと思っている。

 しかし、①の「学校・社会(企業)」で生きる父親も、家族の一員として子どもの不登校と向き合わざるを得ない。こうして父親は①と②のあいだで揺れ動くこととなる。この動揺の期間が短くてすむ人、長い時間を要する人もあり、その個人差は大きい。この時期、父親は子どもの混乱とかかわるなかで、理屈では家族に寄り添いたい感情も生まれてくるが、もう一つの感情がそうさせることを許さず、悩みと苦しみの振幅が大きい。
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