8月29日、文科省は概算要求として来年度の不登校・いじめ施策には66億3000万円(前年比18億円増)を計上した。
今回の概算要求でもっとも注目を集めたのはフリースクールに関する施策。文科省は「フリースクール等への支援策」として約1億円を計上。このうち、5400万円は18団体への調査研究委託費に、4400万円は「フリースクール等に関する検討会」による検討会の設置・運営、調査に充てている。
また今年の9月1日より、文科省史上では初めて「フリースクール等プロジェクトチーム」が設置され、「フリースクール担当官」には、亀田徹氏(元PHP研究所)も任命された。
フリースクールは、この30年近く不登校の子どもを支え続けてきたが、公的支援がなく、少人数の会員で経済的に厳しい運営を強いられてきた。学校基本調査によれば、フリースクールを含む民間施設を利用している者は、不登校児童生徒数全体の1・5%にしかあたらない。
それにも関わらず、文科省がフリースクール支援策を始めたのには、7月3日に発表された教育再生実行会議(座長・鎌田薫氏)の第五次提言が影響している。第五次提言では「新しい時代にふさわしい学制の構築」という項目のなかで「フリースクールやインターナショナルスクール等の位置づけについて、就学義務や公費負担の在り方を含め検討する。夜間中学の設置を促進する」という文言が盛り込まれている。
読者コメント