今回のインタビューは漫画家・かわぐちかいじさん。取材によって、かわぐちさんの娘さんも不登校だったことがわかり、当時の心境もお聞きすることになった。

うちの娘も不登校だったんだ

――かわぐちさんが漫画をつくるときは「自分のなかの不安な感覚を題材にする」と発言されていますね。
 なにかを知りたいと思う動機は、不安感が一番、大きいんじゃないかと思うんです。いろんなタイプの人がいて、一概に言えませんが、自分の場合はそうです。
 
 たとえば『沈黙の艦隊』(1988年~1996年)を描いたときは、世界を二分した東西冷戦(1945年~1989年)が終わろうとしていたときでした。社会主義が崩れてソ連が崩壊し、今後は権力がアメリカに一極化される。そうなるとアメリカとの関係はどうなるんだろうか。僕だけでなく日本中に漠然とした不安感が広がっていました。ならばアメリカとの関係をもう一度見つめ直せるような漫画を描きたい、と。それで原子力潜水艦を素材にした漫画をつくったんです。
 
 不安でいても立ってもいられないという気持ちと漫画を描きたいと思う気持ちは、ほとんどいっしょです。というのも、漫画を描くなかでわかってくることが多いからです。漫画を描くためには、当然、いろいろなことを考えますし、取材もします。そういう過程のなかで不安感の根っこと向き合い、不安の原因探しをしていく。そうすると描く前は「もしかしたら」という思惑だけだったのが、描くなかで不安感の根っこが見えてくるんです。
 
 それは漫画だけじゃなくて、たとえば家族のこともそうです。たとえばうちの娘も中学校のとき不登校だったんです。 

 



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