不登校新聞

398号 2014/11/15

渡辺位さんの言葉「主体としてのたしかな自分」

2014年11月14日 14:29 by kito-shin
2014年11月14日 14:29 by kito-shin


連載「渡辺位さんの言葉」


 第7回『渡辺位さんの言葉』でPN朱々さんが書いておられた「世間よりも主体性」を読んで、私も改めて主体性の大切さを考えました。
 
 先生は親ゼミで、「主体としてのたしかな自分」と表現され、「本人にたしかな存在と確証を与えるのは家族」とも仰っていました。私は2人の子どもが学校に通っているころ、学校になじむこと、集団から、はみ出さないことに必死になり、子どもたちから「自分で考え、自分で決めるという主体性を奪っていたんだなあ」と思います。2人とも小学校低学年で行かなくなりましたが、とくに息子のほうは学校で深く傷つきました。もちろん私も当時は学校に行かないことをなかなか認められず、追いつめてしまいました。
 
 現在23歳の息子は、その後、葛藤をくり返し、まだ一人で外に出ることはできませんが、家のなかで落ち着いて暮らしています。兄より2歳年下の娘は数年間こもった後、友だちをつくり、通信制高校に入学し、アルバイトも始めました。娘がどんどん行動的になり自分の世界を広げていくようすを、私は親として、素直にうれしい気持ちで見ています。
 
 息子は「自分は社会に出られそうにない」と、ときに不安が強くなることもあり、そういうとき、私は息子といっしょに落ち込みます。「人は社会的な生き物でもあるのだから、社会とつながることができないかぎり、この子の苦しみは続くのではないか」と考えてしまうときもありました。
 
 しかし、今、私は思うのです。
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