◎精神科医・高岡健さん の話
大阪維新の会が提案しようとしていた家庭教育支援条例案は「愛着形成の不足」が軽度発達障害などを誘発する大きな要因であり、それは「伝統的な子育て」によって予防、防止できるものだと位置づけた。
愛着は子どもにとっての「安全基地」のなかで形成される。多くの場合、親が子どもにとっての「安全基地」となるが、どのような親や環境のもとであれ、子どもが「安全基地」を獲得できることが社会の責務と言えるだろう。
この安全基地を「伝統的な子育て」によって形成しようとしているのだが、「伝統的な子育て」というのは、世界中、どこの歴史を紐解いても存在しない。
このような理屈で「愛着形成」を促そうとするならば、親・子双方の「安全基地」が脅かされかねない。
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