1月10日(土)~11日(日)にかけて、第7回「日本フリースクール大会」が開催された。全国各地のフリースクールや親の会関係者を中心に120名以上が参加した。昨夏以降、学校外の居場所支援へと教育行政が大きく舵を切り始めたいま、居場所関係者は何を思うのか。

 初日冒頭に行なわれたパネルディスカッションには、学校外の居場所関係者のほか、文科省初となるフリースクール等担当官に就いた亀田徹さんが登壇。「行政の動きをどう見ているか」「すべての子どもの学ぶ権利の保障に必要な支援とは何か」について見解を交わした。

現場が直面する課題「貧困」

 「文科省としては、まず子どもの実態を踏まえて、どういうかたちでサポートするのがよいのか、というところからスタートしたい」と語る亀田さんの発言に対し、一つの切り口となったのが「貧困」だ。公設民営のフリースペース「えん」(神奈川)の理事長・西野博之さんは「近年、経済的な苦しさを理由に居場所に通いづらい子どもが増えてきた」と語る。それに同調するのは「京田辺シュタイナー学校」(京都)の前代表理事の吉田敦彦さん。「当校の授業料は月5万円。減免措置も講じているが、足りない分は寄付などで賄わなければならない」と厳しい現状を語る。中村国生さんが事務局長を務める「東京シューレ」でも10年以上前から減免措置を講じているが、これらは総じて各団体の自助努力によるものだ。
 
 今後必要な支援について、西野さんは「『えん』のような公設民営の場合、子どもは無料で通える。行政と市民が協働する動きを拡大するなかで、『生きている、ただそれだけで祝福される仕組み』を今年からスタートしたい」と語った。
 
 吉田さんはより踏み込んで「公費支出の対象も、これまでのような施設などの器だけではなく、子どもやその親に支出していくかたちがよい」と語った。
 
 中村さんは「不登校の子の多くは家庭で育っており、『家がいい』との声を忘れてはならない。また、外国籍の子どもは学習権そのものが保障されていない。子どもの最善の利益という観点から、学ぶ権利を広く捉え直すべきだ」とし、現在取り組んでいる「多様な学び保障法」の必要性を訴えた。
 
 
 総選挙の影響で、有識者会議の発足が当初予定よりやや遅れたが、5月~6月の中間報告、2016年3月の最終報告のスケジュールに変更はないという。 
 
 一方、一連の動きについては、関係者が諸手を挙げて歓迎しているわけではない。フリースクールと一口に言っても、理念や活動はじつにさまざまであるがゆえ、懸念する声も絶えないのが実状だ。事実として、そのちがいが混在する環境そのものが、学校外の居場所の多様性を担保してきたという側面も無視できないのではないか。学校外の居場所のありようをめぐって、大きな岐路に差し掛かっている。(小熊広宣)