いざバイトを始めても、なかなかうまくいかないものだ。今回は子ども若者編集部の石崎森人さんに、初めてのバイトの苦い思い出を執筆してもらった。

 世の中には「バイトは気楽」という人もいるが、そんなことはないと声を大にして言いたい。世のお父さんお母さんたちは、あまりに勤労に慣れすぎていて、それに慣れていない子どもの気持ちに鈍感になっている気がする。初めてのバイトで働くことが嫌いになる。僕もそうだった。
 
 初めてアルバイトをしたのは定時制高校に通っていた16歳のときだった。某ファミレスチェーンの多忙なランチの時間帯。18歳以下のアルバイトは選択肢が少なく、これくらいしかなかった。
 
 最初は右も左もわからない。何をしたら仕事になるのかがわからず、よく怒られた。しかしそれよりもつらかったのは、時間で拘束されることだった。
 
 バイト中はたったの5分がとても長く感じた。そこでは自由がなく、言われたことを機械のようにこなしていく。心のなかの自由な感覚がどんどん吸い取られていくような、退屈と無力感が混じるような感覚になっていく。決められたマニュアル以外のことをすると、たとえ効率的であっても怒られる。しかも退屈なのに一瞬の気も抜けないほど忙しい。


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