前号に引き続き、第7回「日本フリースクール大会」の講演抄録を掲載する。今号は、大阪府立大学教授で、長年「京田辺シュタイナー学校」の運営にも関わってきた吉田敦彦さん。

 私は京都府京田辺市にある「京田辺シュタイナー学校」(創設15年)の運営に関わってきました。さきほどから子どもの実態に合った支援を、という話が出ていますので、その一つの事例として、4点ほどお話したいと思います。
 
 1つ目に、本日、ご一緒している亀田徹さんは以前、ご自身の論文のなかで「就学義務を教育義務に改正し、実態に即した多様な教育機会を認めることにより、子どもにとっては選択肢が増え、自分に合った学習形態を選ぶことができるようになる」と述べられています。まったく同感です。
 
 「京田辺シュタイナー学校」には現在266人の子どもたちが在籍しており、義務教育段階にかぎっても約200名の不登校児童生徒が「二重籍」で通っているという実態があります。就学義務のあり方については教育再生実行会議でも検討していくということですから、今後大きなポイントになるでしょう。
 
 2つ目が入試です。センター試験を始め、入試改革が大きな注目を集めています。京都のある大学では、来年4月から高大連携特色入試を導入するそうです。受験資格は2つで、まずは大学が開校する公開講座に参加すること。1発勝負のペーパーテストのみで判断しないというのは非常におもしろい取り組みだと思います。
 
 問題はもう一方の要件です。「学校教育法」第一条に規定された学校に通っている高校生でなければ、受験資格はないということです。一条校に通っていようが、NPOがつくった学校に通っていようが、学籍による不利益が生じないよう、制度を改めるべきだと思います。
 
 3つめに、経済面について。やはり、お金がかかります。「京田辺シュタイナー学校」の学費は毎月5万円です。減免措置もありますが、不足分は寄付や奨学金を活用することで補填してきました。ただその努力にも限界があります。家庭の経済力によってチャンスに格差が生じていて、何より残念なことです。


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