連載「不登校の歴史」
09年2月、長いあいだ要望してきた「フリースクール高等部」への子どもたちへの通学定期券の適用が、フリースクール議連の取り組みで実現した。小中学生への適用は93年であるから、じつに16年かかったことになる。
しかし、「全員ではなかったのである」と前号で書いた。これはどういうことか。
適用が可能なのは、高校在籍中に不登校になり、フリースクールを活用している子どものみが対象である。適用の裁量権は校長が持っている仕組みは、小中学校と同じである。議連も文科省も何とかしようとしてくれたらしいが、鉄道機関の代表的存在であるJRの定款に、学割の条件は「学校教育法第1条の学校」となっていて、そこがどうしても突破できなかったようである。
フリースクールにおける10代後半以上の子どもたちは、小中学生より一般的に多い。そして、高校に在籍している子より、在籍せず、フリースクールでやろうとしている子が圧倒的に多い。
だから、せっかく高校年齢の子どもたちが定期を使えるようになったとしても、「大多数の子どもには助けになりません」と議連に訴えた。
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