これまで第7回「日本フリースクール大会」で行なわれた講演録掲載してきた。最後はフリースクール「東京シューレ」の事務局長・中村国生さん。
「やっと始まったか」という思いで、これまでの国の動きを見てきました。「東京シューレ」に関わって23年になりますが、まさかここまで同じ教育制度が続くとは思っていませんでした。それもあって、今回の動きについては大きな期待感を持っています。
安倍総理が「東京シューレ」の視察に来られたのは、昨年9月10日でした。その際、「この問題から目をそむけてはならない」と発言されたことは、とても印象的でした。
私たちはこれまで、全国の親の会やフリースクールのネットワークを通じて、「不登校に対する支援をきちんとするべきだ」と訴えてきました。それに対し国は「いえ、不登校対策にはきちんと取り組んでいます」の一点張り。市民と国、各々の認識ついて大きな隔たりがあったわけですが、総理自身がその点に言及されたわけですから、非常に大きな意味があると考えています。
もちろん、現場には「何か裏があるんじゃないか」といった猜疑心の声もあります。しかし一方で、昨年11月に行なわれた「フリースクール等フォーラム」には400人以上の市民が駆けつけました。「いっしょにやろう」という空気を感じましたし、こんなことは過去にはなかったんじゃないかと思います。
今後必要なのは現場からの"声”
たしかに今回のことは急に始まったことではあるので、国の動きを注視することは大切です。しかし、まずは私たち市民側が本腰をいれて、子どもたち一人ひとりの学習権の保障に対して何ができるのかを考え、行動に移すべきだと思います。国に任せっきりにするのではなく、フリースクール等への支援を考える場に現場を知る私たちが入ること。そこで、「こういう支援が必要なんだ」と訴えていくことが大事なんじゃないかと思っています。
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