まったく外に出られないのがひきこもり……、ではない。学校や会社に通っていても「心はひきこもっていた」という人は多い。今回、シンポジウム「ひきこもりを考える」(登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク主催)でお話をうかがったI・Yさん(30歳)もその一人。当時の心境をふり返ってもらった。
――いつごろからひきこもっていたのでしょうか?
それがよくわからないんですね。10代のころは、学校へ行ったり行かなかったりをくり返してはいたんですが、はっきり「これ」という時期はないんです。最長2カ月ぐらい布団から出れないことはありましたが。
――では、いちばんきつかった時期はいつごろ?
一番きつかったのは高校生のころです。とにかく気分が晴れないし、ずっとさみしいし、怖い。なにをしていても楽しくない。世界中の色彩がなくて、暗闇のなかで自分だけがポツンといるような感覚でした。考えることと言えば「自分なんか消えてなくなればいい」。
とはいえ、どんな状態でも病院には通っていましたし、学校に通えるときもありましたから、まったく外へ出られないということはなかったです。体も正常でしたし、まわりから見てもそんなふうには見えなかったそうです。
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