不登校新聞

408号 2015/4/15

ひきこもり時給2000円「僕が親(とくに父)を避ける理由」

2015年05月15日 11:53 by kito-shin
2015年05月15日 11:53 by kito-shin


連載「ひきこもり時給2000円」vol.2


 うちは会社員の父(昭和21年生)と専業主婦の母(同24年生)、それと僕という3人家族です。兄弟はいません。
 
 父は7年ぐらい前に会社を定年退職して、両親はそろって母の実家がある静岡で暮らしています。いまは僕と両親の仲は良好そのものですが、僕が働けなかった時期は険悪でした。いや、険悪というのは少しちがうかもしれない。僕がほぼ一方的に親の言葉を恐れていたのだから。両親(とくに父)のことを避けまくっていたわけだから。
 
 どんな言葉を恐れていたのか? もちろん、「これからどうするんだ?」、「親はいつまでも生きていないぞ」。基本的にこの2つです。親が投げてくる球種はあらかじめわかっています。ストレートかカーブ。ストレートでなければカーブだし、カーブでなければストレートです。
 
 問題は、どちらの球種も僕にとっては拷問でしかなかったという点です。だから僕が取る選択肢はひとつしかありません。何か言われる前に逃げる。親との接触を極力避ける。これ、「兵法三十六計、逃げるに如かず」。食事はギリギリいっしょにとっていましたが、いつ、何の気まぐれで親(とくに父)がそれを持ち出してくるのではないかと始終ビクビクしていました。なかば無意識に昼夜が逆転し、家族と顔を合わせない生活へと突入です。
この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

「答え」は「どこか」でなく「ここ」にある ひきこもり時給2000円最終回

448号 2016/12/15

今だから話せるコト~一番つらい時期になぜ死にたくなったのか ひきこもり時給2000円

447号 2016/12/1

母に直接聞いてみた~僕がひきこもっているときに何を考えてた?

446号 2016/11/15

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

624号 2024/4/15

タレント・インフルエンサーとしてメディアやSNSを通して、多くの若者たちの悩み…

623号 2024/4/1

就活の失敗を機に、22歳から3年間ひきこもったという岡本圭太さん。ひきこもりか…

622号 2024/3/15

「中学校は私にとって戦場でした」と語るのは、作家・森絵都さん。10代に向けた小…