2011年10月11日、大津市に住む中学2年生の男子生徒がいじめを苦に自殺した(以下・大津中2いじめ自殺)。これについて、2015年3月17日、原告の遺族と大津市間での和解が成立した。和解条項によると、①いじめの事実、②いじめと自殺の因果関係、③予見の可能性、この3点を認定。大津市は遺族に謝罪し、和解金を支払うこととなった。また、大津市は第三者委員会を常設するなど、いじめに関する再発防止に取り組むことも和解事項に盛り込まれた(常設の第三者委員会はすでに設置)。

●和解条項


第1 和解の前提となる裁判所の判断
 文部科学省は、平成23年10月までに、各教育関係機関に対し「いじめの問題への取り組みの徹底について」などの通知を出すなど、いじめが児童生徒の心身の健全な発達に重大な影響を及ぼし、自殺などを招来するおそれがあることを前提として、いじめへの対応について注意を促してきた。
 
 こうした状況から担当教諭およびその他学校職員は、一般的にいじめを受けた児童生徒の自死が生じうることを予見することができる状況にあったというべきである。平成23年10月11日に亡くなった生徒Aは、いじめによって自死に至る可能性のある精神的苦痛を受けていた。担当教諭やそれ以外の職員は、生徒Aがいじめを受けていたと認識していたものと認められる。学校、担当教諭らが、適切な指導をしたり、原告へ連絡するなどの措置を講じていれば、生徒が自死に至らなかった可能性があったと言える。よって、大津市は、生徒Aの自死につき、安全配慮義務違反があり、原告らに対し、損害を賠償する責任を負う。

第2 和解条項
◎大津市は原告に和解金を支払う。
◎大津市は,第三者調査委員会の調査報告書に基づき,謝罪事項(下記参照)に基づき、原告らに対し謝罪を行なう。
◎大津市は和解条項を報道機関を通じて公表し、かつ、自らのホームページに掲載する。
◎原告および大津市は、大津市が再発防止に向けて取り組んでいることを確認し、大津市は今後も取り組みを継続する。


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