学校基本調査によると、通信制高校生のうち、5人に1人が1年間で1単位も取得しない「無履修者」であることがわかった。過去10年間で累計43万人の無履修者がいた。
2010年度、通信制高校に在籍していた者は18万8251人。このうち無履修者は4万1234人、全体に占める割合は21・9%。内訳は私立1万5101人(14・5%)、公立2万6133人(30・9%)。私立よりも公立のほうが、全体数、割合ともに無履修者が多かった。
10年前、2001年度の無履修者は3万6588人。全体に占める割合は19・2%。10年間で無履修者数は4623人増。割合も2割程度を推移しており、この10年間は、ほぼ横ばいが続いている。
「無履修者」については通信制高校のみしか把握していない。というのも、通信制高校は全日制・定時制高校などとちがい、「休学扱い」が事実上は機能しないため、「履修者数」を調査し、勤労学生などが単位を取れる環境にあるかなどの指標にしてきたからだ。
文科省は「現在は勤労学生よりも、なんらかの理由で通えない生徒などが増えていることが想定されるが、どんな理由で無履修状態になっているのかは、調査していないため分析・対応はできていない」と話している。
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