フリースクール漂流教室 石川林太郎
訪問型フリースクール漂流教室でボランティアを4年間やっている大学院生です。漂流教室は札幌を拠点に、おもに利用者の自宅に訪問するというかたちで支援をしているフリースクールです。現在利用者の数はおよそ40名。訪問するボランティアスタッフも、僕のほかに40名ほどいます。フリースペースもあり、若干名の利用者が遊びに来たりしています。
ひきこもり・不登校のお宅に1週間に1回訪問し、1時間程度いっしょに"なにか"をしてすごす。それが「漂流教室」のメンタルフレンドです。今回は、ある一人の怠惰なメンタルフレンドと利用者の青年との関わりについて紹介させていただこうと思います。
「今日も俺の部屋に"あの人”が来る。さて、今日はどうしたものか」。
ひきこもり・不登校の青年は、そんなことを頭の片隅で考えながら、漂流教室の訪問を待っているのかもしれません(すっかり忘れられていることもありますが)。僕が訪問した不登校の青年は3人ほど。発達障害や小児うつなどの診断を受けているらしいと聞くと、やれ「コミュニケーションに問題があるだろうから配慮なければ」だの、「サポーティブに接しなければ」だの、頭のなかがグルグルします。しかし、ひとたび家の敷居をまたげば、「彼と僕」の関係はひとまず「主人と客人」として始まります。
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