不登校新聞

418号 2015/9/15

ひきこもり時給2000円 おこづかいはあげるべき?

2015年09月28日 10:52 by kito-shin
2015年09月28日 10:52 by kito-shin


連載「ひきこもり時給2000円」vol.12


 ひきこもりの講演会や家族会でよく聞かれる質問のひとつに、「おこづかいはあげたほうがよいのか? それともあげないほうがよいのか? もしあげるとしたら、いくらぐらいが相場なのか? お金を渡すときにはどういう声がけをしたらよいのか?」というものがあります。この質問に対する答えは人それぞれだと思いますが、僕はだいたい、次のように答えています。

 まず、おこづかいはあげてください。「お金がなければ働き出すだろう」と考えての兵糧攻めは、ほぼ逆効果です。「お金がなくなれば動き出すだろう」というのはごく自然な発想ですが、そのやり方はかえってひきこもりを強化させます。正論だけど逆効果。お金がなくなるとひきこもりの人は外に出なくなります。電車やバスに乗らなくなるし、飲食代がないから人にも会わない。どうせ何も買えないので買い物にも出ない。結果、それまでよりもさらに深くひきこもる。僕もそうでしたが、ひきこもりの度合いはお金がなくなってからのほうが断然強かったです。
 
 「おこづかいをあげたりしたら、それに安住して働かなくなるのではないか? 外に出なくなるのではないか?」という心配はごもっともです。でも、みなさんが危惧しているほどそうはならないです。
この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

「答え」は「どこか」でなく「ここ」にある ひきこもり時給2000円最終回

448号 2016/12/15

今だから話せるコト~一番つらい時期になぜ死にたくなったのか ひきこもり時給2000円

447号 2016/12/1

母に直接聞いてみた~僕がひきこもっているときに何を考えてた?

446号 2016/11/15

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

624号 2024/4/15

タレント・インフルエンサーとしてメディアやSNSを通して、多くの若者たちの悩み…

623号 2024/4/1

就活の失敗を機に、22歳から3年間ひきこもったという岡本圭太さん。ひきこもりか…

622号 2024/3/15

「中学校は私にとって戦場でした」と語るのは、作家・森絵都さん。10代に向けた小…