連載「ひきこもり時給2000円」vol.12


 ひきこもりの講演会や家族会でよく聞かれる質問のひとつに、「おこづかいはあげたほうがよいのか? それともあげないほうがよいのか? もしあげるとしたら、いくらぐらいが相場なのか? お金を渡すときにはどういう声がけをしたらよいのか?」というものがあります。この質問に対する答えは人それぞれだと思いますが、僕はだいたい、次のように答えています。

 まず、おこづかいはあげてください。「お金がなければ働き出すだろう」と考えての兵糧攻めは、ほぼ逆効果です。「お金がなくなれば動き出すだろう」というのはごく自然な発想ですが、そのやり方はかえってひきこもりを強化させます。正論だけど逆効果。お金がなくなるとひきこもりの人は外に出なくなります。電車やバスに乗らなくなるし、飲食代がないから人にも会わない。どうせ何も買えないので買い物にも出ない。結果、それまでよりもさらに深くひきこもる。僕もそうでしたが、ひきこもりの度合いはお金がなくなってからのほうが断然強かったです。
 
 「おこづかいをあげたりしたら、それに安住して働かなくなるのではないか? 外に出なくなるのではないか?」という心配はごもっともです。でも、みなさんが危惧しているほどそうはならないです。


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