9月7日、少年法改正案が法制審議会に諮問されたことを受け、法務省では同改正案を来年の通常国会に提出する方向で検討している。成立した場合、少年非行を取り巻く状況はどう変わるのだろうか。
改正案の特徴は「検察官関与の拡大」と「国選付添人の拡大」とがセットになっている点だ。
検察官の関与が拡大した場合、結果として少年審判が刑事事件と同様の視点で扱われるケースが増えることになる。付随して有期刑の引き上げ(現行の有期刑上限5年~15年を10年~20年)も盛り込まれている。
一方、「国選付添人の拡充」については少年の権利保障の観点から、その必要性が長年指摘されてきた問題だ。
両者が同時に盛り込まれている今回の改正案については、少年審判を担当してきた弁護士のあいだでも戸惑いが広がっている。国選付添人拡大によりどれだけ権利保護に努めたとしても、非行少年の一日も早い更生・社会復帰を考慮すれば、有期刑の上限引き上げは、その実現をさらに困難なものにしかねないからだ。
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