ひきこもり経験者の杉本賢治さんによる10人の支援者へのインタビュー集です。この本はインタビュアーである編者へのインタビューで始まります。杉本さんの語る過去から現在までの、ひきこもり人生がぐっとくる、とにかく情けないのです。
 
 読めば心が軽くなる、さえない人生を歩む者にとって、ひさしぶりに同志に出会った気持ちになりました。杉本さんが対人恐怖症になった原因は、中学生のときにとなりに座っていたクラスの女子に席を離されたというもの。「もてない男子オリンピックがあれば金メダル」というような出来事がきっかけです。それだけでは足りないとばかりに「テストでカンニングがばれる」というダメ押しがあって対人恐怖症はいよいよ重くなっていきます。
 
 自分はダメな人間だなと思っていたけれど、世の中にはいるのです、真の王者が。逸話は続き、大学に入学し、いい雰囲気のサークルだなと入ったところが、実は宗教団体の下部組織だと知る。いかがわしい、こんなところにはいられないと抵抗するのですが、どういうわけかだんだんとなじんでしまい、最終的には幹部に出世、説法をする側になります。罪悪感に苛まれた杉本さんはサークルから逃げ出し、ひきこもるようになったのです。

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