長男の登校拒否、これが30年以上に渡って不登校に関わってきた私の原点です。当時、小学校の教師として「学校には行くべきだ」と信じて疑わなかった私にとって頭を抱える毎日でした。親の不安から登校を促し続けた結果、長男を拒食症にまで追い込んでしまったんです。そんなときに出会ったのが、児童精神科医の渡辺位さん。先生は学校うんぬんではなく、長男そのものを見てくれました。たった1回の面談で、長男の顔に生気が戻り、「お母さん、僕は僕でよかったんだね」「あー、お腹がすいた」と言われたときのことは今でもはっきり覚えています。
不登校の子どもにとってもっとも大切なことは「安心して休むこと」です。最近、不登校関連の情報が多いからか、「無理して学校に行かなくていいよ」とおっしゃる親御さんが増えています。しかし、そうは言ったものの、「このまま休ませていて大丈夫だろうか」と葛藤された方もこれまた多いのではないかと思います。ここで大事なことは、子どもはそれを敏感に感じ取るということです。親の本音に気づいた瞬間から、心が休まらなくなり、結果としていつまで経っても元気が溜まっていかないのです。
親の不安「不登校その後」
なぜ親の気持ちが揺れるのかと言えば、「うちの子は将来食べていけるのか」という進路への不安があるからです。
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