玄田有史『ニート』から三浦展『下流社会』まで、世間に流布する「ニート」・「フリーター」論、ひいては若者論に対する批判本である。 3部構成で、著者たちがそれぞれのパートを担当している。それぞれに違う立場・視点からの論考が、ズレたりかみあったりしながらのセッション、と言えばいいか。
最初の本田の論考では、まず、日本で使われている「ニート」という概念が、じつは「就労を希望している」層と「希望していない」層をいっしょくたにしていること、実際増加しているのは前者であり、後者の数は10年間大きく変わってはいないことがデータとして示される。
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