
連載「居場所」
十数年前、私は東京から香川県に転居し、ボランティアで電話相談をしていた。昼間は子どもたちからの相談が多く「学校には行けないけど、同年齢の友だちと話をしたり、いっしょに遊びたいけど、どうしたらいいの?」と聞かれた。「学校に行かなくても、近所の友だちと遊んだりできないの?」と聞いたが、多くの子の返事は「学校に行かないのに外に出ると変な目で見られる」だった。こうした返事に違和感を持った私は、香川県の不登校事情を調べてみると、学校以外に子どもの居場所が無いことがわかった。子ども自身が「教育を受ける権利」を持っている考えが確立している国、アメリカのオルタナティブスクールを知りたくなって、すぐアメリカに行き5校のカラーがちがうスクールで子どもたちと接し、スタッフの話を聞いて帰国後10日目にヒューマン・ハーバーをオープンした。
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