2015年をふり返って、不登校関係で印象深い出来事は、1つ目は子どもの自殺が学校が始まろうとする時期に多いということが強く報道されたこと、2つ目は国が不登校、フリースクール支援を考え始め、現場の人間が入った「フリースクール等検討会議」が開催されたり、学校外の学びも法的に認めようという議員立法の案が具体的に検討されたりしたことだろう。これは例年にない新しい面であったが、2016年に持ち越されたかたちで引き続きの課題となっている。そして1つ目と2つ目は、つながっている問題なのである。そのあたりを中心にまとめてみた。  (奥地圭子)


2015年7月2日、内閣府が「自殺対策白書」にて上記「18歳までの日別自殺者数」を発表。9月1日を含む、子どもの自殺が「学校の休み明け」に集中していることが初めて裏付けられた。

いじめ、自殺など


 今年、子ども自殺に関してもっとも目を引いたのは18歳以下の自殺を日付別に集計したところ、9月1日が突出して多かったことがデータとして裏づけられたことだった。調査は内閣府がとりまとめたものだったが、マスコミが広く取り上げ、多くの人が知るきっかけをつくったのは本紙だった。1973年~2013年の42年間で自殺した子どもの総数は1万8048人。日付別の発表、18歳以下にかぎって集計したのは初。調査結果を見ると、夏休み明け、春休み明け、連休明けなど、長期休みが終わって学校が始まるときに多くの自殺者が出ている。つまり「学校は苦しいが行かなくてはならない」という圧力や観念が強く、子どもたちは楽になるには命を絶つしかないというところへ追い詰められてしまうという構造になっている。
 
 9月1日前夜をはじめとして、これらの時期に自殺が多いことは不登校関係の親の会やフリースクール関係者には知られていた。しかし、統計データが出たことで説得力を持った。まず本紙が報道し、朝日新聞がそれに続いた。さらに本紙が記者会見を行なったことで、一挙に他の報道機関も取り上げるようになった。
 
 自殺のきっかけで多いと思われるのはいじめである。2015年はどうであったか。7月、岩手県矢巾町で、中2男子が電車にはねられ死亡。担任に提出した生活記録ノートには「もう市(死)ぬ場所は決まっているんですけどね」と書くなど、再三にわたりその苦しさを訴えていた。
 
 11月、名古屋市で中1男子が地下鉄の電車に飛び込み自殺。遺品のノートには部活のいじめを疑わせる記述があった。死後、校内で無記名式アンケートを実施すると、20人の生徒が「いじめを直接見た」と回答。「いじめ防止対策推進法」は施行されたが、実際のいじめ自殺は存在し続けている。ただ例年よりは減少した印象はある。
 
 これまでのいじめ自殺に関して訴訟中だった茨城小6男子、大津中2男子、加賀中3女子の事件が和解。また、第三者調査委員会が調査していた熊本高3女子、長崎小6女子、青森高2女子、岩手中2男子、福岡高3男子、奈良中1女子、山形中1女子などの事件は「いじめがあった」と認定された。「いじめ防止対策推進法」成立後、いじめの認知はされやすくなったといえる。
 
 目を引いたのは2月に起きた川崎の中1男子殺害事件である。男子生徒は多摩川河川敷で泳がされたあと、首を切られ、遺体で発見された。関与した少年3人が逮捕されるという衝撃的なニュースであった。
 
 また、児童虐待についても、全国の児童相談所が2014年度に対応した児童虐待は8万8931件で、前年度から20・5%も増えたことが分かった。統計開始の90年度から24年連続で過去最高を更新。2013年度、虐待で死亡したと確認された事例は69人に上った(2015年10月発表)。児童相談所の人手不足は深刻で、虐待防止対策のあり方を議論している厚労省の専門委員会は、児童相談所が対応するケースは深刻な事例などに絞り、そのほかは市町村が担当するような役割分担ができないか、と提案している。

不登校、居場所


 毎年、発表される文科省の学校基本調査。調査によると小・中学校の不登校数は12万2902人で2年連続増加。小学生に占める不登校の割合は過去最高となった。


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