不登校新聞

426号 2016/1/15

経験者が語る 子どもが動くときに必要なこと、不必要なこと

2016年01月13日 12:55 by kito-shin



 私は高校入学直後から不登校になり、そのままひきこもるようになりました。家からほとんど出ない生活が5年続きました。
 
 その後、民間の居場所を活用するようになり、しだいにアルバイトも始め、気づいたら自分自身が若者支援をする側になっていました。現在は一般社団法人「若者支援事業団」の理事を務めています。
 

高校受験 失敗を機に

 
 不登校の原因は、高校受験の失敗です。原因はそれだけというわけではありませんが、志望校に入れなかったというのが大きかったことはたしかです。そのときは頭が真っ白になって、現実を受けいれられない気持ちでした。
 
 「小中高大と進学して就職」というように、ごくごく当たり前に進んでいくと思っていた人生の階段を踏み外してしまったわけです。すべてが台無しになってしまったかのような感覚があり、明日からの自分に希望を持って生きていくことができませんでした。
 
 「家ですごすのが楽しくてしかたがない」という不登校・ひきこもり当事者は、あまりいないと思います。多くは「こうあらねばいけない」という自分の理想と現実のズレに苦しみ、つらい思いを抱えています。暴言や暴力などのかたちで、そのつらさをあらわす子もいますが、そういったケースばかりではありません。
 
 自分の思いをなかなか表面に出さない場合、親の目には「ゲームばかりで楽をしている」と映るかもしれませんが、けっしてそうではない、ということをわかっていただけたらと思います。「現状の自分を正しいと思えない」という葛藤から、何も言葉にできないということもあるんです。
 
 家が本当に楽しければ、子どもは自然と元気になっていくものです。もし、ずっと家に居るのになかなか元気にならないのであれば、それは子ども本人が今の状況をよしとしていないということにほかなりません。


 

何で私の話を聞かないの?

 
 不登校・ひきこもりだった当時、親に連れられて精神科のカウンセリングを受診したことがあるんですが、まったくうれしくなかったです。「なんで私の気持ちを聞く前に、第三者に相談に行くんだろう」と鬱々としていました。もちろん、医師は私の話を聞いてくれましたが、基本的には「こういうふうにしましょう」というアドバイスが多かったです。
 
 その意味では親の対応も似ていて、私の気持ちを伝えても「わかるよ。でもね、それじゃ生きていけないでしょ」と理解を示してくれませんでした。
 
 「でもね」と言われてしまうと、「親の話を私にどう理解させるか」というニュアンスにしか聞こえなくなります。そうなると、「何を言ってもしかたがないな」という気持ちになってしまうんです。
 
 じつはあるとき、母親の日記を見つけてしまいまして。あ、本当にたまたまですよ(笑)。
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