不登校新聞

320号(2011.8.15)

親のシンポジウム①「将来を見守りたい」

2013年07月30日 12:09 by kito-shin
 高知にて行なわれた登校拒否を考える全国合宿。そのなかでは不登校・ひきこもりの子を持つ親4人がシンポジストとして登場。今号はシンポジウム「私たちが子どもから受け取ったもの」の講演抄録を掲載する。

将来を見守りたい


 小学6年生になる長男が不登校したのは、小学1年生の5月です。クラスメートからノートに落書きされたり、蹴られたりしたことがきっかけでした。ただ、それ以前に、保育園に通っているときから、いじめにあっていたのです。大人びていたせいか、よく小学生とケンカしていたのをおぼえています。
 
 世界で一番美しい妻と結婚してからはずっと共働きでしたが、12年勤めた生協を退職。現在、私は専業主夫になり、家事と子育てに追われる日々をすごしています。
 
 そうしたなかでの不登校。当時の担任からは「校長、教頭に伝えますが、よろしいですか?」と言われました。教頭先生から「お子さんを登校させてほしい」と言われたので、私は「無理に行かせて、リストカットするようになったらどうするんですか」と、反論した覚えがあります。
 
 当初から一貫して「行きたくないなら、無理して行かなくていい」という姿勢を貫いています。これは私の過去の体験と、大きく関係しています。
 
 福岡県の私立高校に進学した私は、理系の特別進学クラスに入りました。おもしろくない長時間の授業に「うつ」状態になり、私が「学校という教育システムに殺される」ところだったのです。ですから、子どもを学校へ通わせることに、疑問を感じていたのです。不登校をしたときには「ついに、来たか」と思いました。
 
 学校へ行かない息子には、勉強より体を鍛えるほうが大切だと考え、プール、トランポリン、アイススケートやサイクリング、ザリガニ釣りなど、いろんな場所に出かけました。

4時間の読書、俺ってすごい(笑)


 小学校で読み聞かせをしていたこともあり、子どもによく本を読んであげました。なかでも明智小五郎と怪人二十面相が対決する『少年探偵団』シリーズは全46巻の長編シリーズですが、すべて読みました。休みながらも4時間ぶっ通しで読んであげたこともあります。そのときはさすがに「俺ってすごいな」って思いましたね(笑)。最近では、息子も妻と遊ぶことが多く、いっしょに図書館に行ったり、料理をしたりして過ごしています。
 
 私のリストラや妻のうつ病など、これまで不登校以外にもさまざまなことがあり、本当につらかった時期もあります。だからこそ「社会的弱者」と呼ばれる人たちの気持ちがわかったような気もしました。わが子の不登校から、そうしたことを教わった気がします。
 
 息子はまだ進路や就職うんぬんという年齢ではないですが、子どもの将来は子どもが決めるもの、親はそれを見守るものだと思います。「夢を持つことが大切だ」とよく言われますが、その言い方はあまり好きではありません。わが子には志を立てて、自分の人生を生きてほしいと考えています。「立志」ですね。坂本龍馬をはじめ、幕末・明治維新で活躍した人たちは志を立てて激動の幕末を生き抜きました。現在の日本は、秩序ある平和な社会ですが、多くの問題を抱えています。明治維新を成し遂げた志士たちの生き方を学び、志を立てて、生きてほしいと思います。

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