不登校新聞

201号 2006/9/1

大人になるってどういうこと? 児童文化研究者・村瀬学さんに聞く

2016年01月21日 17:16 by kito-shin


 子どもが大人になることというのは、かつては、考えるまでもないほど自明のことだった。しかし、最近は、それが自明ではなくなって、みんなが悩んでいるように思える。今の時代に、大人になるとは、どういうことなのか、かつてと何が変わっているのか。児童文化研究者の村瀬学さんに聞いた。

――村瀬さんは、子どもが大人になる境として13歳を論じていますね。
 昔も今も、子どもが大人になるというのは、たいへんなことです。よく「13歳は早すぎる」と批判されるんですが、あれは暦論なんですね。たとえば1年の12カ月、十二支のように、暦は12をひとつのサイクルとして動いているわけです。だから、13歳を区切りと考えるのは理にかなっている。13歳を仮免許として、18歳で本免許のように考えてはどうか、と。
 
 子どもは、親とちがう領域と接点ができてくると、自分の価値観と親の価値観がズレてくるでしょう。そのとき大切なのは、それまでとはちがう領域に入るという自覚を持つことです。それを意識させるのに昔の人は苦労した。そこで暦の思想が出てくるわけです。
 
 たとえば、私たちだって、土日が設定されているから、平日にがんばることができる。いろいろなことがあったにせよ、金曜日でいったん終わって、また月曜日から立ち上げ直す。7日単位で物事を考えて、それをくりかえしている。そういう尺度がないと、やっていかれへんのですね。
 
 だから、子ども時代も、そこで終わって、ちがう領域に入るんだと意識できるシステムが必要なんです。

――ご自身の13歳は?
 私は母親がうっとうしくてイヤだったんです。ガミガミうるさくて、いつまでも子ども扱いして「ええ加減にせえよ」ってね(笑)。
 
 13歳すぎたら、子ども扱いしないで、家のなかでも同居人、独立した個人として認めてほしい。もちろん、そのうえで支援すればいいわけです。ただ、いつまでも一心同体みたいなのは、早く切り上げてほしいですね。
 

好きなお父さんのタイプ

 
 好きなお父さんのタイプを聞くアンケートがあるんですが、70年ごろまでは、トップは長嶋茂雄でした。それが、80年代以降は、ビートたけしとか、お笑い芸人が入ってきた。いい傾向だと思いますね。お笑いがわかるお父さんは、価値観の多様性がわかる人です。
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