巻頭コラム:かがり火

 年初め、少年院に少年を訪問する習慣を続けて25年目の今年、待合室で少年たちの作品集のなかに「母と母」という文に出会った。

 僕には母が二人いる。このことを知ったのは高1のとき。このときから、僕の中には二人の母が存在するようになった。急にオブラートに包まれたような気分だ。育ててくれた母が母ちゃんでなかったことが何だか淋しく思えた。僕にとって実母はもうあの人になってしまった。


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