不登校新聞

429号 2016/3/1

ひきこもり時給2000円 何度もドアノブに手をかけるが・・・

2016年02月26日 14:41 by kito-shin


連載「ひきこもり時給2000円」vol.23


 どうしても、その部屋のドアが開けられなかった。
 
 部屋の前にある廊下を何度も何度も往復し、「今度こそ入ろう、今度こそ中に入ろう」と心では思う。「次のタイミングでかならず入る」と自分に誓う。しかし、何度廊下を往復しても、ドアノブにかけたその手を動かすことはできなかった。そうこうするうちに、陽はすこしずつ西に傾き、時間だけがすぎていく。僕は焦り、途方に暮れる。1999年の10月、場所は東京・参宮橋。ひきこもりの人の当事者グループに参加申込のメールは出したものの、どうしても部屋のなかに入る勇気が出なかった。なかにはどんな人がいるのだろう? 途中から部屋に入って、ほかの人たちにいったいどんな顔で見られるのだろう? 怒られたり、何か文句の一つも言われるんじゃなかろうか? そのほかいろいろなことが気になってしまって、どうしても「あと一歩」が踏み出せなかった。もう、よほどこのまま家に帰ってしまおうかと思った。そうしたほうがどれだけ気持ちが楽だったことか。
 
 その日より3カ月ほど前、決心をして精神科の病院に行くときも、先ほどの当事者グループのときと同じか、それ以上に勇気が必要だった。
この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

「答え」は「どこか」でなく「ここ」にある ひきこもり時給2000円最終回

448号 2016/12/15

今だから話せるコト~一番つらい時期になぜ死にたくなったのか ひきこもり時給2000円

447号 2016/12/1

母に直接聞いてみた~僕がひきこもっているときに何を考えてた?

446号 2016/11/15

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

474号 2018/1/15

安冨さんは2013年から女性向けの服を着る「女性装」をするようになった。「...

473号 2018/1/1

2017年も、子ども若者に関わるさまざまなニュースが飛び交いました。そこで...

472号 2017/12/15

みんなが学校に行っている時間帯は「楽しいこと」をしてはいけないって思ってい...