ひきこもり、親子問題、少年事件などに鋭い指摘を投げかける芹沢俊介さんの本が2冊、発刊された。
まずは芹沢さんの単著『「存在論的ひきこもり」論』(雲母書房)。本書は、98年斎藤環が発表した「社会的ひきこもり論」を論破し、その「当事者不在」さ、不完全さを指摘。そして「存在論的ひきこもり」論がいかにして構築できるかを説いた。本書のなかで触れられる「子どもは誰かといっしょのときにひとりになれる」「『する自分』は『ある自分』のうえに成り立つ」「イノセンス」など、著者を代表する理論は、いま、ひきこもりを考えるうえではずせない原理原則だ。
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