不登校新聞

431号 2016/4/1

「不登校の歴史」第431回 2010年という年

2016年03月28日 15:59 by kito-shin
2016年03月28日 15:59 by kito-shin



 前号で2010年6月1日にフリースクール議員連盟が民主党政権下のもと、15カ月ぶりにやっと再開されたことを述べた。再開時、市民から要望したことは新法制定。憲法で定められた教育を受ける権利は、学校教育法に定められた学校でしか保障されない。そのことが不登校へのムリな学校復帰政策が続けられている要因となっている。そのため法体制を改め、学校以外の学びのあり方も認めてほしいと訴えたのだ。議員の返事からは「検討してもらえそうだ」との感触を得た。ただし、実際に本格的な検討が始まったのは2015年の2月。議連再開から5年も待たなくてはならなかったのである。
 
 もちろん、そんなことは当時わからない。フリースクール全国ネットワークでは、2010年から「新法研究会」を毎月開催。寄せられた意見を検討し、何回も骨子案を修正していた。
 
 実際、子どもたちの状況は「待ったなし」であった。2010年に発表された学校基本調査によると、不登校の小中学生は12万2432人。過去12年連続12万人以上という高台で推移してた。こうした状況を踏まえれば、学校へ戻そうとする不登校対策が意味がなく、新しい政策が望まれるところだが、民主党政権になっても「学校復帰が前提」という政策方針は変わらなかった。
 
 それと絡んでいると考えられるのが、いじめ自殺である。この年は本当に子どもの自殺報道が多かった。3月には東京(中2女子)、鹿児島(中2男子)、栃木(中2女子)、5月には東京(中3男子)、6月には神奈川(中3男子)、8月には大阪(小3女子)、茨城(中3男子)などが報道された。
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