不登校の当事者や経験者に話を聞くと、「ふつう」という言葉がしばしば返ってきます。
「ふつうになりたい(なりたかった)」と、当時の気持ちをストレートに表現してくれる子もいれば、そうは表現しないものの、子どもたちの語りの裏には「ふつうではない」自分への焦りが少なからず感じ取れます。
一方、「ふつう」というのは、親にとっても非常に影響力のある言葉です。「昼夜逆転」や「ゲーム三昧」などは、不登校の子どもであれば誰しもが通る道です。しかし、これこそ親にとっては心配のタネで、そういう状態をずっと続けていくと「ふつう」の生活からどんどん離れていってしまう気がして焦ってしまう方も少なくないと思います。
「ふつう」か否か、はたまたポジティブかネガティブかというように、私たちはえてして二元論で考えてしまいがちですが、そんな風潮に警鐘を鳴らすのが本書の著者の泉谷閑示さんです。
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