不登校新聞

352号(2012.12.15)

【報道】第46回総選挙政党アンケート~不登校、ひきこもり、いじめの認識と施策は~

2016年06月27日 19:28 by kito-shin
2016年06月27日 19:28 by kito-shin


 第46回衆議院議員総選挙に向けて、本紙では各党に政策アンケートを実施した。アンケートでは、不登校、ひきこもり、いじめ、ベーシックインカム(無条件の所得保障)についての認識と施策を質問。回答した8党中6党が、学校でいじめを受けた場合、行政から当事者に「学校を休んでもいい」と伝えることが必要だと回答。子どもの休息・避難の権利を多くの政党が認めた。各党の回答要旨は別途後述。

 行政から当事者に、いじめを受けた場合は「休んでもいい」と伝えることが必要であるかについて、公明党は「学校を休むことだけでは、解決につながらない」と回答。未来の党は回答を保留した。一方「必要である」と答えた政党のなかでも「条件」を付けたのが、民主・自民・社民の3党。民主は「緊急避難ならば」、自民は「死にたいと思うぐらいなら」、社民は「緊急的な対処として」と条件を付け加えた。みんな・共産・維新は「当然」「認めるべき」との認識を示した。

 不登校施策は?

 不登校そのものを問題としてとらえ、既存の早期発見、早期解決路線の充実、拡充を訴えたのが、民主・自 民・公明・維新・未来の5党。民主は「学ぶ権利が保障されていない」という認識から、地域に開かれた学校づくりなどを必要施策として挙げ、自民は「社会的 自立を目指した支援を」という認識から、進路形成を支える体制づくりを必要施策として挙げていた。
 一方、「そもそも社会・教育制度に多様性がないことが問題」と指摘したのは共産・社民・みんなの3党。みんなの党は「多様な教育を選べる制度に変えていくべき」だと回答。共産は「競争・管理的な社会や教育制度にこそ問題がある」と回答。

 ひきこもりの認識

  ひきこもりについては、規定の早期発見、早期解決の支援体制に不備はあったものの、現行路線での支援拡充が必要だという認識を示したのが、民主、公明、維 新、未来の4党。公明は「とくに精神障害」についての支援が必要だと訴えた。より踏み込んで「ただ待つだけでは改善にならない」「ひきこもった人を呼び戻 す働きかけが弱くなっていることが事態を悪化させている」などと答えたのが自民、社民の2党だった。
 一方、ひきこもりは、現在の社会状況によるものだという認識を示したのが共産・みんなの2党。みんなの党は「社会参加しやすい環境整備」、共産は「社会保障の充実」を挙げた。

 ベーシックインカムの認識

 ベーシックインカムに関しては、近い理念での政策実現を図るという趣旨で回答したのが、みんな・共産・社民・維新の4党。現行制度での社会保障充実を図ると回答したのが、民主・自民・公明の3党。未来の党は回答を保留した。

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