内閣府は3月30日、高等学校中途退学者の意識に関する調査結果を発表した。それによると、中退者の7割が「将来への不安感がある」と回答した。
特筆すべきは、「フリーターやパート」や「とくに何もしていない」と回答した者より、「高校に在学中」と回答した者のほうが、将来への不安感をより強く抱いていた点だ。「フリーターやパート」(66・6%)、「とくに何もしていない」(70・2%)に対し、「全日・定時に在学中」(80・8%)、「通信制」(78・9%)と、10ポイント近い開きがあった。
必要な支援は情報と居場所
「高校中退後、どのような支援が必要か」については、「何でも相談できる人」(66・6%)がもっとも多く、「生活や就学のための経済的補助」(63・1%)、「会社などでの職場実習の機会」(56・3%)、「仲間と出会え、いっしょに活動できる施設」(55・9%)と続いた。(複数回答)
厚生労働省では2006年から、若年無業者を対象にした「地域若者サポートステーション事業」をすすめている。「中退者へのアウトリーチ事業(訪問支援)」などを展開し、今年度も全国110カ所で運営されているが、今回の調査でも認知度は6・0%と低い。
中退後にもっとも苦労したことは「適切な情報を得る方法がわからない」(19・2%)ということからも、中退後の進路決定に際して、①進学・就職・資格などの情報収集ツール、②気軽に相談できる機関、③横のつながりを得られる居場所、などへのニーズが高いことが明らかとなった。
高校中退者は2001年度まで年間10万人前後で推移していたが、その後は減少傾向にあり、2009年度はおよそ5万7000人。今回、調査対象となった回答者の現状は、「働いている」が56・2%で、そのうち8割弱が「フリーターやパート」などの非正規雇用だった。一方で、高校への再入学や大学など、「在学中」と回答したのは30・8%、「とくに何もしていない」と回答したのは4・0%だった。
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