福島原発事故は人災
東日本大震災によって起きた福島原発事故。いまなお事故収束にはいたっていない。原発は全国で54基。この原発社会を私たちはどう考えたらいいのか。まずは槌田敦さんに、福島原発について語っていただいた。
――東日本大震災に連動した福島の原発事故をどう見ていますか?
まず、今日(4月14日)までの状況をかんたんに説明します。3月11日東北沖でマグニチュード(以下M)9・0の地震が発生し東日本の原発はぜんぶ運転を停止しました。ところが、東京電力(以下・東電)の福島第一原発の4つの原子炉では、すべてのECCS(非常用炉心冷却装置)が津波で使用不能という状況に陥りました。その後、冷却水の供給失敗、原子炉冷却不能、原子炉の圧力が高まり、環境に放射能放出という事態が相次いでいます。つまり1979年のスリーマイル島原発事故に酷似した状況が同時多発で起き、3基の原子炉と4基の使用済み燃料貯蔵プールが空焚き状態になったわけです。
この事態をどう捉えるか。報道は「79年のスリーマイル島事故を超えたが、86年のチェルノブイリ事故までは至っていない」という見方をしているのでしょう。たしかにチェルノブイリに比べれば放出された放射能量は少ないです。ただしスリーマイル島は16時間で事故収束。チェルノブイリは1週間で収束。今回は1カ月経ってもまだ収束していません。場合によったら再臨界や東京まで避難区域が拡大するというシナリオも考えられます。
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