不登校新聞

437号 2016/7/1

絶望のどん底にいた私を支えた “どん底映画” “『127時間』

2016年06月27日 16:15 by kito-shin
2016年06月27日 16:15 by kito-shin

画像:公式ホームページより

 絶望でどん底のときに、ある映画や音楽に出会う。作品の主人公に自分を重ねあわせて不意に涙が出る。そんな経験ありませんか? どん底だからこそ出会えた人生の宝物。そんな「どん底映画」「どん底音楽」を不登校・ひきこもりの経験者が紹介します。

 ひきこもり状態というのは、たった一人で、もだえ苦しむ危機的状況とも言える。たとえ関わる人がいたとしても、その心は閉じていて、人に助けを求める勇気も発想もなく、一人で人生と闘い、敗れ、絶望していたりする。そんなときに、私が心救われたのは映画だった。とくに主人公に協力する仲間もなく、たった一人で壮絶な困難に陥る物語を、自分と重ね合わせて観ていたのだ。
 
 今回紹介する『127時間』は、実話を元にしたサバイバルサスペンスだ。主人公は砂漠にある岩場の渓谷をトレッキングするのが趣味のアメリカ人。
 
  ある日、誰にも行き先を教えずにトレッキングに出かける。岩と岩の隙間を通ろうとした瞬間、落石に右腕を挟まれ、谷底から一歩も動けなくなってしまう。半径50キロ以内には誰もいない……。ナイフで落石を削って脱出しようとするが、500キロもある岩石はびくともしない。谷底なので日射しが当たるのはごくわずかな時間だ。餓えと乾きと寒さと疲労との闘いになる。
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