連載「子ども若者に関する精神医学の基礎」

 
 前回、カナーとアスペルガーの理論を結びつけたウイングの「自閉症スペクトラム」についてお話しました。病気から性格傾向までを、「自閉的傾向」という一連の傾向(スペクトラム)として捉えようという試みでした。この試みでは、「社会性」「コミュニケーション」「想像力」という3つの分野(「3つ組」と呼ばれます)の能力によって、自閉性を説明します。
 
 近年、この3つ組の説明として、「シングルフォーカス」(SF)という考え方が流行しています。「全体の中から一部分だけを取り出して」(シングルS)「焦点を当てる」(フォーカスF)という意味のようです。以前お話した、消火器が大好きなAくんの場合なら、「興味をひかれる1つの対象だけ」(S)に、「強くこだわる」(F)ということになるでしょう。

 でしゃばらない にもかかわらず


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