不登校新聞

442号 2016/9/15

「ふつう」ってなんだ? 酒場の支援論

2016年11月10日 16:01 by kito-shin


連載「酒場の支援論」


 長く「焼き鳥病」を患っている。おいしい焼き鳥が食べたい。味のイメージははっきりある。とくだん高級なものは、ほっしてない。ごくふつうの焼き鳥でいい。それなのに出会えない。どの店もおいしいが、求めている味とどこかちがうのだ。そして、今日もまた理想の味を求め店を渡り歩く。
 
 酔った頭で考える。「ふつう」とはなんぞや。『不登校新聞』にも「ふつう」についての悩みが寄せられていた。学校に行っていない自分はふつうじゃない。不登校になってしまったらもうふつうの人生を歩めないのじゃないか。多くの子ども、保護者がそこで迷う。
 
 言い出しておいてなんだが、その問いにはじつはあまり興味がない。30歳の誕生日に考えた。「30年間なんとか生きてきたんだから、もう俺がスタンダードって言っていいんじゃないか」、それで、勝手に自分は「ふつう」だと決めた。それからずっと「ふつう」の大人として生きている。
 
 おそらく、それ以前は葛藤があったのだろう。自分は「ふつう」じゃないのではと煩悶したり、反対に「ふつう」になんてなるものかと反発したり。そうでなければ「もう俺が『ふつう』でいいや」という結論にはならない。時間が経ちすぎて当時の気持ちは思い出せないが、読んでいた本は覚えている。色川武大の『うらおもて人生録』。中高生に向けて書かれた本だが、20代でもずいぶん助けられた。
この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

第18回 寝屋川教師刺殺事件【下】

232号(2007.12.15)

最終回 家庭内暴力とは何か【下】

232号(2007.12.15)

第232回 不登校と医療

232号(2007.12.15)

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

466号 2017/9/15

いま20歳になる息子の父です。息子は、小学校の低学年のころは楽しくすごして...

465号 2017/9/1

8月25日、本紙を含む子ども支援に関わるNPO団体が共同メッセージ「学校へ...

464号 2017/8/15

本人は入学式前から、ピカピカのランドセルや「拾ってきた」という謎のワンピー...