お金が生まれるシステムから、ベーシック・インカムを考えてみたいと思います。
現代のお金の大部分は、銀行が企業に貸出をするときにつくり出されています。ある上限はありますが、銀行貸出によってお金はどんどん増えるのです。
いま、Aさんが銀行に100万円を預金したとします。そして、銀行はB会社に90万円を貸出したとします。そうしますとAさんはいつでも引き出せる預金というかたちで100万円を持っているし、B会社は90万円を持っています。お金の合計は190万円になっています。
ええっ、なんかヘンだ、いいのか、と思うでしょう。でも、やはり合計は190万円なのです。これが、現代のお金が生まれるしくみです。90万円が新しく生まれて、流通し始めます。
銀行から貸出しを受けたB会社は、そのお金で設備を整え、給料を払ったり、税金を払ったりします。そのお金が、働く人の生活費になったり、スーパーの売上げになったりと、ぐるぐる循環しているのです。
つまり、このシステムでは、生産側への貸出として資金を自由につくり出せます。そのお金がちゃんと生産と消費の間を回っていれば問題ありません。しかし、このシステムには大きな問題が二つあります。
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