元日、2日テレビでハーバード大学M・サンデル教授の合計12時間の講義を見た。ジャスティス(JUSTICE・公正さ)がテーマだ。社会の格差の広がり、弱者切り捨て、新しい貧困、そして真の「公正さとは」という根源的な問題を考えるヒントになるものだった。
1884年イギリスのミニョネット号事件を講義で取り上げた。海難事故で4人の乗組員がボートで24日間漂流する間、最も衰弱した身寄りなき天涯孤独の17歳のパーカー少年を、3人が生きるために殺して食料にし、後に殺人罪で起訴された。3人が生きるため死期の近い少年を食料にすることが許されるか、「最大多数の最大幸福」を求める功利主義の価値観と「公正さとは何か」への問いでもある。
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