不登校新聞

447号 2016/12/1

「機関」支援から「子ども」支援へ 不登校の歴史vol.447

2016年11月29日 13:07 by kito-shin
2016年11月29日 13:07 by kito-shin



 2012年10月8日、早稲田大学において「(仮称)オルタナティブ教育法を実現する会」の第2回総会が開かれ、ここで重要な提案がなされた。法案名および骨子案の変更である。
 
 第1回総会(7月8日)の提案を元に、各方面の意見を聞きながら議論を重ねてきた結果、法案の趣旨(目指すところ)は変えず、法案の名称を「(仮称)オルタナティブ教育法」から「子どもの多様な学びの機会を保障する法律」と変更し、それに合わせて骨子案の表現やしくみを「オルタナティブ教育を行なう機関への助成を求める」ところから「学校外の場を選ぶ子どもやその家庭への支援」への変更が提案された。
 
 これはかなり大きな考え方の変更で、これまで、フリースクール、シュタイナースクールなど機関への助成を求めて動いてきたが、機関ではなく、子ども一人ひとりの学習権の保障という視点から、子ども・親への助成を求めることにしたのである。
 
 その理由はまず、憲法が基本的人権として、教育を受ける権利(学ぶ権利)をすべての個人に保障していること。民間機関にいきなり公費支援をすることは、憲法89条(公の支配)のしばりがあって難しいこと。オルタナティブ機関助成というと、支給対象はどこで線引きするかが難しいこと。機関助成は必要であるが、子どもへの助成金を高校無償化のように機関側が代理受領できるようにすれば方法はあること、などからである。
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